伝染性単核症

 伝染性単核症は大部分がEpstein-Barrウイルス(EBウイルス)の最初の感染によっておこる病気ですが、一部サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス等によっても起こります。主にEBウイルスを含んだ唾液を介して感染します。我が国においては2−3歳までに約70%が感染を受けていますが、大部分は無症状に経過しています。
 伝染性単核症はEBウイルスに対する免疫の過剰反応であると考えられています。
 4〜6週間の潜伏期を経て、高い熱と咽頭痛で始まり、首のリンパ節が腫れてきます。高熱は数日間続き、1週間を超えることもあります。扁桃に白苔がついたり、軟口蓋に出血斑がみられることがあります。発疹がでたり、瞼が腫れたりします。肝臓や脾臓が腫れ、肝機能が障害されることがありますが、黄疸を伴うことは稀です。通常は自然に治りますが、慢性活動性を呈する予後不良な例がごく稀に認められます。
 診断のためにはウイルスに対する血液検査や肝機能検査などが必要です。
 EBウイルスに効く薬はありませんが、普通は自然に治りますので、発熱や喉の痛みなどに対する対症療法が治療の主体です。水分を十分にとらせるように心がけ、消化の良いものを与えましょう。
 高熱が続き体力が消耗したり、肝機能障害が強い時には入院が必要となることがあります。
 熱が下がり、体力が回復するまで1週間前後、学校や幼稚園、保育園を休ませましょう。